無題

「大丈夫。」
そう言って隣に居てくれて
手を繋いでくれる人が居るのって
最高の幸せじゃない。

お門違い

私に神の力はない
天使の翼も微笑みもない
差し出せる手は救済ではない
言葉に力もない
君は何も見えていない

男と女

男は血を好み
女は血を孕む

男は酒を飲みくだし
女は毒を吐き散らす

男は死を慈しみ
女は死を忘れる

男は生を胸に
女は空に縋る

人は微妙に擦れ違う

偏った正論

名前を持つから僕たちは区別されるんだ！
個を持つから僕たちは主張したがるんだ！
仲間意識を持つから僕らは群れるんだ！
傷つくのは恐いから僕らは疎外するんだ！
区別するから僕らは優劣をつけるんだ！
だから皆争うんだ！！
何て醜い！皆知ってるのに止めない
自分は傷つきたくないから
負けたくないから
蔑まれたくないから
泣きたくないから
独りは怖いから

だから皆一緒になろう
血塗れになれば何も解らない
混ざれば皆一緒
もう泣かないでいいよ
淋しくないよ
怖くないよ
一瞬だから

救済

そら空を飛べ
こんなにも悲しい空の下に生まれてきたのに
僕らは羽を広げることも知らずに生きてる
周りが染め上げた羽色に満足している
混ざり濁って醜くなって初めて後悔する
人間ってそんなもんだろう？！

地面に張り付いて逃げる
雲の陰に隠れて姿を隠してる
空の美しさに絶望しないように
醜い自分を少しでも覆って
這いずり回れよ！

期待はしてないよ　夢も見てない
黒ずんで縮こまった羽を抱えてるのに
泣いてないよ　涙も汚らわしいのに
誰も待ってないよ　来るはずない
だから目の前に居るのは僕の影

抱きしめられる感触も
頬に添えられたのぬくもりも　
僕の妄想
「綺麗だよ」なんて台詞も
全て幻